2010年10月17日日曜日

投資信託は買うべき商品か?

今日はちょっと真面目に個人投資家にとって望ましい(つまりできるだけ損をしない)投資法について私が思うところを書いてみたいと思います。

投資信託という金融商品は多くの投資家が持っていらっしゃると思います(私も幾つか持っています)が、果たしてこの商品は買うべき金融商品なのでしょうか?この問いについては、もちろん、投資家それぞれの事情(年齢、家族構成、職業、投資余力など)が答えの大部分を決定しますので、一概に答えられるものではないと思います。ただ、私にはどうしても投資家個人の実情に合わないような金融商品でポートフォリオを組んでいるようなケースが非常に多いように思われます。具体的に、例えば資産の中、国内株式に1,000万円以上振り分けることができる場合、国内株式からなる投資信託を買うことは良い考えでしょうか?私はそのような場合、そのような投資信託を買うのは非常に馬鹿げている、と思います。

例えば東証上場のETF(上場投資信託)にはTOPIX core30に連動するものが幾つかあり、信託報酬も0.2%前後で非常に良心的ですが、実はこのETFとほぼ、同程度のファンドは大体1,000万円あれば自分で作ることができます。作り方は至って簡単で、このcore 30を構成する次の30の銘柄を単元ごとに買えばいいのです。 

2914 JT
3382 セブン&アイ・ホールディングス
4063 信越化学工業
4502 武田薬品工業
4503 アステラス製薬
5401 新日本製鐵
6301 コマツ
6502 東芝
6752 パナソニック
6758 ソニー
7201 日産自動車
7203 トヨタ自動車
7267 ホンダ 
7751 キヤノン
7974 任天堂 
8031 三井物産 
8058 三菱商事 
8306 三菱UFJフィナンシャル・グループ 
8316三井住友フィナンシャルグループ 
8411 みずほフィナンシャルグループ 
8604 野村ホールディングス 
8766 東京海上ホールディングス 
8802 三菱地所 
9020 東日本旅客鉄道 
9432 日本電信電話 
9433 KDDI 
9437 NTTドコモ 
9501 東京電力 
9503 関西電力 
9984 ソフトバンク

任天堂と三菱地所は単元が大きいので組み入れ比率が大きくなり、銀行・証券(三菱UFJ、みずほ、野村)は単元が小さいので組み入れ比率が低くなってしまいますが、このような点を重要でないと考えられるのであれば、以上の30銘柄からなる自作のファンドは2010年10月15日を基準にすれば約1,044万円でできます。

それではこんなに簡単に(そしてある意味、「超テキトー」に)作ったファンドにアクティブ運用をしている投資信託はパフォーマンスで勝るのでしょうか?もちろん上の「超テキトー」ファンドの騰落率はTOPIX core 30の指数とは完全に一致しませんが、かなり近い値動きをするはずです。仮にTOPIX core 30 と完全に一致すると仮定するならば、1年間の騰落率(注:2010年9月30日を基準とする)は約 -8.3%となりますが、モーニングスターなどのサイトで検索したところ、このパフォーマンスを下回る投資信託がかなりありました(基準日が異なるので、正確ではありませんが、国内株式型675銘柄中、220銘柄もアンダーパフォームしていました)。

果たして皆さんはこんな「超テキトー」ファンドにも負けるようなパフォーマンスしか出せないファンドに年1%以上の信託報酬を払う気になるでしょうか?およそ1,000万円で作った自作の「超テキトーファンド」は信託報酬はゼロですが、もし2%の信託報酬をとるファンドですと、1,000万円の中、20万円はたとえどんなにひどいパフォーマンスであろうが確実に取られることになるわけです。

ちょっと長くなってしまいましたが、結論はこうなります:

1,000万円以上、日本株を買うつもりなら個別株を幾つか買って自作のファンドを作った方がずっとよい。また、初期の投資資金がわずかしか用意できなくても、若ければ個別株をこつこつと買い集めていけばよい。もう歳をとってしまって投資余力がない場合は、無理をしないで現金でもっていればよい。一言で言ってしまえば、投資信託なんて誰にとっても、買うべきものではない。

え、もう買ってしまって塩漬け状態になっている場合はどうしたらいいのですかって?その場合はもう「株、あがれ」と念力を送ることしかありません(ってこれは冗談ですが、この場合はそのまま持っていたほうがいいと思います。特に毎月分配型のファンドなどでは基準価額が購入価額を下回っている場合、配当金は「特別配当金」という形で税金が免除されるからです)。

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