2010年7月18日日曜日

週末は読書をしました


書かなくてはならない原稿があるのですが、なかなか取り掛かれません。週末は現実逃避気味に、近所の図書館から借りた本を読みました。最近、本当に日本の将来が心配になります。最近ではIMFからも消費税を上げるよう、提言がありましたが、消費税論争が今回の参院選挙に与えた結果を考えると、まだしばらくはこの問題について国民のコンセンサスが十分に得られるような状況ではなさそうです。

特に最近、日本の経済破綻を予言するコメントが多くなってきているように思いますが、今回の選挙結果で、そのようなシナリオがますます現実味を帯びてきているようにも思われます(先日、日経を読んでいたら同じような危惧が書かれてました)。民主党の一部の議員とみんなの党が組んで「デフレ脱却法案」というのを提出する動きがあるようですが、これは簡単に言えば、もっと日銀にお金を刷るようにさせる(このような政策は「リフレ」というらしいです)法案です。朝日の記事では石破さんがそのような政策はハイパーインフレを引き起こす可能性がある、という理由で反対しているようですが、まあ、自民党の立場からしたら、反対せざるをえないでしょう。

ところで、昨日読んだ水谷さんの本も「日本経済は破綻する」という内容なのですが、この本は2003年に出版されているんです。まだ予言どおりにはなっていませんが、出版後から7年経った今、そのような可能性が近づいてきているようにも思います。


この本は特に議論を支持するようなデータが示される訳でもなく、著者自身の直感に従って書かれています。国民が甘えて国家から金をせびっている、だから日本が復活するためには、国民が甘えるのをやめて、国家のために増税に耐えなければならない、という主張です。自民党の立場と一緒ですね。

それから今日読んだのは、精神科医で小説家の加賀乙彦さんの『不幸な国の幸福論』、という本です。


私は以前、『ドストエフスキー』という加賀さんの本を読んで、とても面白かったという記憶がありました。今回読んだのはつい最近(2009年)に書かれたもので、リーマンショック後の日本の閉塞状況について書かれたものなのですが、先の水谷さんの本とは違って、きっちりとしたデータに基づいた議論をしていて、非常に説得力がありました。自殺率や社会保障の国際比較があって、日本には最低限のセーフティーネットがない、という主張です。石破さんは「セーフティーネット」という言葉自体も、お嫌いなようですが、このような弱者切捨て型の自民党の政策が日本をストレスの多い、故に精神を病みやすい環境にした要因のひとつであると加賀さんは考えておられるようです。

私自身、加賀さんのおっしゃることに共感する部分が多く、最低限度のセーフティーネットは必要だと思います。政治家には国民が日本人であることを幸せに感じられるような国づくりをして欲しいのですが、なかなか思いどうりにはいかないようです。

最後に、批判を覚悟で思い切って書きますが、私はもっと日銀にお金を刷らせる法案に賛成です。現実もハイパーインフレ、そして国家破綻というハードランディングに向かいつつあるようですが、そのような劇薬以外に日本の国民意識を変えさせるような機会はないと思います。残念ですが日本が立ち直るのは、いったん全てを清算するしか、方法はないと思います。

追記:庶民の私達が貯めたささやかな財産を守るため、インフレヘッジとして、資産の一部を外貨建てにシフトしたり、株を買っておくのは有効だと思います。私は今、正直な話、(日本円の)現金という資産が実は一番リスクが高いんじゃないかという思いも手伝って、株を買っています。

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