2013年8月16日金曜日

モンサントの不自然な食べ物

先日の投稿で、渋谷のUPLINKに行って「モンサントの不自然な食べ物」という映画を見てきたことを書きましたが、今回、改めてこの映画の感想を記しておきたいと思います。


株式投資をやっている方にはお馴染みですが、注目される銘柄というのは何らかのテーマ性を持っているのが常です。例えば、少し以前の日本の新興市場でバイオ関連銘柄が急騰したのは記憶に新しいところですし、バイオほどのお祭りにはならなかったものの、農業やTPP関連銘柄も物色されたりしました。

私はテーマに乗って売買することができるほど機敏なトレーダーではないので、「バイオ」や「農業」、「TPP」というテーマに関連する銘柄には一切、手をつけませんでしたが、この三つのテーマについて考えた時、真っ先に頭に浮かんだ銘柄があります。それが今回紹介する映画で取り扱われているモンサント(ティッカーシンボル: MON)というアメリカの企業です(モンサントという会社はもともとは化学会社で、ポリ塩化ビフェニエル(PCB)や除草剤のラウンドアップなどが主力製品としてよく知られていますが、同時にこれらの製品が人体や自然環境に与える悪影響についても多くの識者によって指摘されています)。

映画の概要は、遺伝子組み換え技術を応用したラウンドアップ耐性大豆の危険性を指摘する研究者や、モンサントから特許侵害で訴訟された零細農家などのインタビュー、そしてPCBや枯葉剤、牛成長ホルモンなどのモンサントの他の製品にまつわる問題点に焦点が当てられています。全体的な印象としては、自社の遺伝子組み換え作物 (Genetically Modified Organism = GMO) を世界標準にして食糧生産全体を支配しようというモンサントの恐るべき経営戦略を鮮明に浮き彫りにした、極めて良質のドキュメンタリーだと思いました。

またパンフレットには安田節子さんによる解説がありますが、アメリカの政権と業界の癒着、日本がTPPに参加した場合に生じるであろう事態(ISD条項を盾にして、遺伝子組み換え表示の撤廃が求められるのではないか、という心配)などが非常によくまとめられていました。

安田さんの次の本はこの映画を理解するのに非常に役立ちますので、興味のある方は是非、ご一読ください。



また、TPPについての入門書としては次の本がおすすめです(可愛いイラストがあって大変読みやすい上に、内容もしっかりした内容になっています。結局、日本のTPP参加は日本国民のためというより、アメリカのグローバル企業のためだということが良く分かります。

『サルでもわかるTPP』



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