2012年11月12日月曜日

株主優待の廃止と新設、その先回り戦略

このところ、市場でセンチメントがまた悪化してきています。TOPIXは今日も続落で、-8.16(-1.12%) の722.58で引けました。

今日は特に、先日、今期業績の大幅下方修正を出した三光マーケティングフーズ(2762)の株価に注目していたのですが、思っていたよりも下げませんでした(終値は-5,000円(-5.1%)の92,400円でした)。通期の予想EPSが1,390円ということなので、現在の株価はかなり割高に思えますが、やはり同社の株主優待制度が株価の下落を押しとどめたのではないでしょうか。

全般的に見ても、株主優待制度は(ファンダメンタル的には割高であるような)株価を安定させる大きな要因となっているようで、こうした緩衝剤のような制度を廃止したばかりに株価が急落するケースもしばしば、見られます。直近の例では10月5日に優待制度の廃止を決定したアリアケジャパン(2815)の株価は、優待廃止を決定してから以降、優待廃止を発表した日の株価(終値1,765円)を一度も取り戻していません(今日の終値は1,639円です)。

また、あまり出来高のないようなマイナーな銘柄でも、株主優待を新設してから堅調に株価が上昇するケースも良く見られます。例えば久世(2708)は9月24日に株主優待の導入を発表する前は殆ど出来高のない過疎株でしたが、導入以降、ある程度の出来高とともに、株価も上昇してきました(9月24日に408円だった株価も今日の終値は610円です)。

また、今日はヴィレッジ・バンガード(2769)がかなり太っ腹な株主優待を新設したというポジティブ・サプライズがありましたが、やはりこれまでの経験則から、明日以降、ヴィレッジ・バンガードは買われていくように思われます。

以上、見てきたように、優待を廃止すれば売られ、新設すれば買われる、というのが市場のパターンのようです。そこで考えたみたのですが、優待の新設や廃止の予想ができない以上、非優待株の割安株を分散させて持っておくのが、投資戦略としてかなり期待値が高いのではないでしょうか。優待株は既に優待プレミアムが株価に織り込まれている場合が多いのに対し、小型の非優待株は機関投資家にも個人投資家にも見放されたまま、異常に割安になっているケースが多いような気がします。

最後に、実際に自分のPFの中から、久世やヴィレッジ・バンガードのように優待株に変身してくれる銘柄が出てきて思ったのですが、ファンダメンタル的に割安でありながら流動性が少ない銘柄(企業)が個人株主を増やすために優待を新設する傾向があるように思われます。

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